
COLUMN
コラム
2026/03/26
“見えないこだわり”が、家の印象を変える|タニタハウジングウェア
雨といなんて、誰も見ていない。
けれど、「なんとなくいい家」の正体は、きっとそういう場所にある。
建築家や工務店が選ぶ理由を、聞いてみた。
お話を伺ったのは、株式会社タニタハウジングウェア代表取締役社長の谷田泰さんと、マーケティング部 部長の大町健太郎さん。
雨といや外装建材の分野で「選ばれる理由のある商品」を届ける、その姿勢について伺いました。

設計:伊礼智設計室
施工:自然と住まい研究所
写真:西川公朗
建築家の指名で広がった、
雨といの定番。
「一番売れているのは『ガルバリウム雨といスタンダード』という商品です。形自体は昔ながらのオールドスタイル。でも、写真を見た建築家が“これだ”と指名するケースがとても多いんです。」
そう語るのは、タニタハウジングウェアの谷田社長。ブログやSNSで建築家たちが自然に紹介し、静かに広まっていったという。
「うちは銅の圧延業から始まった会社。銅製品で培った“丁寧な目線”が、他の素材にも自然と活きていると思います」と続ける。
たとえば一般的な雨といは「受け金具が見える」ものが多いが、タニタの製品は上から吊る構造で金具が見えない。その“目立たない工夫”こそが、選ばれる理由だという。
広告より、建築家の“本気の採用”が何よりの証明。
「プロが“これはいい”と自然に使ってくれることで、結果的にブランドになっていったような気がします」と話すのは、大町部長。
ガルバリウム雨といスタンダードが採用された実例は、プロ向けの雑誌にも多数。もとは建築家・伊礼智氏との対話から生まれた製品で、伊礼氏の影響力も後押しになった。
「伊礼さんは“自分のノウハウをすべて公開する”っていうスタンスで、それが“取り入れていい”という空気を生んだんですよね。」
雨といという目立たない部材に、ここまでの思想と美学を込める会社は珍しい。PRよりも“物そのもの”の力で浸透していったタニタ製品には、建築に携わる人を突き動かす何かがある。
線を減らす。色を揃える。
ただそれだけで美しい。

スタンダード半丸105
「できるだけ要素を減らしたい」「色を揃えて統一感を出したい」。建築家の声に応え、タニタでは製品の形状・塗装・パーツ設計まで徹底して“ミニマル”を追求している。
「実は、こういうシンプルなものって製造がすごく難しいんです。折り目を入れれば強度は出るけど、見た目にノイズが出る。だから、折り目のないフラットな造形にこだわって、あえて梱包効率や在庫性の悪い形にも挑戦しました。」
営業からは反対もあった。だが、建築家が指名し続ける中で徐々に市場に浸透し、今では設計・施工にこだわるプロたちが選ぶ定番になりつつある。
“見えないこだわり”こそ、家の品格をつくる。
「住まい手さんは、雨といなんて気にしないかもしれない。でも、“なんとなく良い家”って、実はそういう細部の積み重ねなんです。」
雨といの取り付け金具、屋根や外壁との納まり、くさりといの水の流れ方・・・細部への気配りが家の印象を大きく変える。
「細かく見れば見るほど、削ぎ落とすことの難しさに気づかされます」と大町部長。だからこそ、つくり手には“本気で選ぶ理由”のある建材が必要なのだ。
「TANITA GALVAは、そんな“使う理由のある建材”として、これからも選ばれ続ける存在でありたいですね。」
建築の未来に、美しい屋根を。
さらに、タニタでは、同社製品が採用された屋根のある建築作品を広く募集する「屋根のある建築作品コンテスト」を隔年で開催している。
「応募して良かった、授賞式に来て良かった、そう言っていただけるコンテストにしたいですね。皆さんと一緒に屋根のこと、雨のことを考える機会になればと思っています。」
取材協力|株式会社タニタハウジングウェア
東京都板橋区東坂下2-8-1
「雨のみちをデザインする」をコンセプトに、雨と建築の関係に新たな価値を提案し続ける金属外装メーカー。
意匠性と機能性を両立した雨とい・屋根材・外装部材の開発に力を入れており、金属素材の質感を活かしたシリーズ「TANITA GALVA」は、建築家から高い支持を集めている。





